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【朝】

かあさん、今日こそはオレ、かあさんに勝ってみせる！
ギャラクシーウォーズ・・・・・・炎の・・・・・・２００万回・・・・・

・・・・・・ん？
このゲーム音は？
ギャラクシーウォーズ？

｢あ！　かあさん！　また寝ないでやってたんだね？　オレには早く寝ろって言っておいて、ズルイや！｣
｢丈、起きた？　じゃあ、こっちへおいで。かあさんと勝負してみる？｣
かあさん、すごく眠そうだし、もしかしたら今日こそ勝てるかもしれない。

オレは、こんなに気力が充実してるし、それに、夢の中でかあさんの癖はある程度シュミレーションしてあるから。
｢うん！　いいよ！｣
｢いいよじゃないよ、丈。お願いしますだろ！｣
｢お、お願いします｣
｢そう、普段はかあさんでも、いったんここに座ったら、かあさんはお前の師匠なんだからね！｣

｢はい、マスター！｣
なんで、オレはかあさんを越えられないんだ。
全国ゲーム王決定戦で、最年少優勝したオレが、どうして・・・・・・。

かあさんの腕は確かにすごい。
だけど・・・・・・。

｢丈、また裏技で来たわね。裏技なんて、しょせん正面切っての勝負じゃないのよ。わかる？　本当に強いヤツってのは、正面から・・・・・・こう！　こう！　こうやって・・・・・・最後に、こうするの！　いい？　丈、テクニックでは、確かにかあさんを越えたかもしれない。だけど、ギャラクシーウォーズをゲームだと思ってる。その時点で、お前の負けなんだよ｣

かあちゃんの・・・・・・かあさんの眼が燃えてる！
すげえ！
やっぱり、かあさんには勝てない。

｢１００年早いんだよ！　さて、かあさんは、朝ごはん作るから・・・・・・ふあぁ〜・・・・・・眠い｣

よし、オレも。
｢とうさん、おはよう｣
｢おはよう。丈、お前もゲームばかりやってないで、自然を愛する気持ちを養わないとな｣

｢えー、だってさ、かあさんがゲーム・・・・・・｣
ん？
｢丈！　余計なおしゃべりはいいから、早くご飯食べなさい｣
｢はい、かあさん｣
マスターには、逆らえないな。

ちくしょ〜、ぜってえにかあさんにギャラクシーウォーズ勝ってやる。
今日も、ゲーパラ・クローバーで、対戦して腕を磨いてやるぞ！

｢丈、お前ゲームばっかりじゃなくて、ケンカの仕方をとうさんが伝授してやろうか？｣
｢ケンカ？　ケンカなら、ストリートファイターでやってるよ｣
仮想空間の方が、よっぽど現実的なケンカだ。

｢バカだな。いいから、とうさんと同じ格好して構えてみろ｣
あごをひいて、左足を前に。

｢お前は、まだ小さいから、大人に絡まれたら、拳を作って、キンテキお見舞いしてやれ！　こうだ！｣

こう？

キーン！

｢ぐほっ！｣
｢と、とうさん、大丈夫？｣
｢おう・・・・・・うう。そうだ。いいスジしてるぞ！　丈！｣

だけど、ストリートファイターにそんなワザないし・・・・・・。
とうさんに勝っても、あんまりうれしくないんだ。
とおさんは、お花と勝負しててよ、悪いけどさ。

やっぱ、かあさんに勝たないと！
かあさんに一度でも勝って、幻の大技「月面宙返り二段撃ち」を伝授してもらうんだ！


【昼】


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