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・・・・・・空だ。
と、僕は思った。
彼女の頬づえついた横顔のその先にあるもの。
口を固く結んで、少し悲しげで・・・・・・。
天窓から流れる風が、僕と彼女の静止したままの柔らかな関係を
そっと揺らす。
僕は、マグカップに残るわずかなぬくもりを両手で包み込みながら、
彼女の先にあるものを探す。
ブルーマウンテンが香るコーヒーメーカーの先。
窓ガラスの向こう。
そして、そのもっと向こうにあるもの。
街?
いや、そうじゃない。
愛し合った時間のその先。
彼女は、一瞬うつむいてから、静かに目を閉じた。
それから、溜息をついて、僕の方へ視線を移す。
彼女の潤んだ瞳の奥に、僕と僕のマグカップが映っている。
・・・・・・空だよ。
彼女は、きっとわかってくれると思っていたんだ。
だけど僕が、自分勝手すぎたから?
彼女の思いをくんでやれなかったから?
僕は、彼女を悲しませてばかりだったのかもしれない。
「・・・・・・空だ」
僕は、彼女にぽつりと言う。
彼女は、微笑みを浮かべ、窓の方をちらりと見て、立ち上がる。
「わかったわよ! いちいち『空だ・・・・・・』なんて、催促しないで、空っぽだと思ったら、自分で勝手にコーヒー入れたらいいじゃん! アンタの方が近いんだからね!」
そう言って彼女は、ブルーマウンテンを僕の空のマグカップへ不機嫌そうに注ぎ入れる。
どうでした?
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